おはようございます。
岡山でオーダーメイド紳士靴とパンプス製作、立岡靴工房の立岡海人です。
今日は久しぶりに自分用に製作した靴のご紹介をさせていただきます。
もともと私、大学を京都の岩倉にあります京都精華大学というところに行っていまして
当時まだまだヒッピー色が色濃く残っていた京都のサイケデリックシーンに感銘を受けまして
ダークサイケデリックトランスのGoa Gil(ゴアギル)大先生のところまで辿り着いた求道者でありました。
一時期、名刺の裏にプロフィールの文章にサイケ、という単語を入れていたんですが
ある時に10代くらいの学生から「サイケって何ですか?」と聞かれて
世界中の先住民族のモチーフにも似た幾何学的なグラフィックデザインが特徴で、
カラフルな渦巻きのイメージが代表的なやつ。
音楽でもぐるぐる渦を巻くようなイメージで浮遊感があったり
音の中にハマって瞑想したような気分になるやつ。
サイケデリックトランスっていう4ツ打ちが代表的なやつ。
って答えたんですが、大体合ってますよね?人によってそれぞれ違うとも思うけど。
今ひとつ具体的なイメージが湧きにくい方は、話すと長くなるのでリンク先をご覧ください。
と、そこまでサイケと言いながら今回は単なるアブストラクト、抽象的な色配置の靴です。
(サイケっていう背景があって、色のセレクトをしてます。くらいの話でした)
仕上がった靴をパッとみた感じ、ブラジルやな。と思いました。
つま先はイエローとオレンジ。
本体はイエローをベースにブルーを重ねてグリーンをつくって
はき口にかけてはライトブルーをベースにイエローと重ねてターコイズをつくりました。
今までは、色の配置に具体的なモチーフがあったり、意味やストーリーがあったりしましたが
色のイメージだけで、こんな配色にしよう。というつくり方でした。
最近はライトグリーンとターコイズがマイブームなので、満足です。
立岡靴工房の靴の作り方の特徴として、パティーヌという手染めの技法があるのですが
抽象的なグラデーションを表現するのにはとても向いているような気がします。
デザインとしてはホールカットなんですが、なんとなくストレートチップのような2トーンにしました。
つま先と靴ヒモの内側の部分を同じイエロー系で。
靴底はレザーではなく、敢えてアクティブに履きたいのでラバーソールにしました。
ビブラムの少し凸凹ある #2055 という品番です。
天気を気にせず、多少キズや汚れがついても風合いにする!というような気分です。
黄色の持つ色の意味。黄色の持っている色の力というのは、例えば
●コミュニケーションを円滑にする。
→明るくフレンドリーな印象づくりが出来ます。
●知性を刺激し行動を活性化する。
→知的な好奇心が高く、アクティブに行動するイメージを持たれやすくなります。
●集中力、判断力、記憶力アップ。
→頭の回転が早く、チームづくりやムードメイカーの役割に向きます。
それに対して、グリーンは安心感や安定、調和を表す色です。
バランス感覚が良い、気配りが出来そうな人のイメージです。
また、エメラルドグリーンの宝石が持つ力としては、愛の力、奉仕の心、というものがあり
エジプトでは永遠の若さ、繁殖と生命のシンボルとも言われました。
そしてターコイズ、ライトブルーの持つ意味は 以前の製作事例 でも書きましたが
「創造性」とか「自由」、「探求心」となどの意味があります。
まとめました。
色の第一印象は「明るくフレンドリー」で「アクティブなイメージ」。
だけど「バランスを大事にする」。「奉仕の心も忘れない」。
そして「自由さ」と「創造性」を胸の奥に秘めているがあまり見せない。
敢えて見せるとしたら、つま先と同じで「明るくフレンドリー」(靴ヒモの内側が黄色)
で、靴のデザインの話。
今回のホールカット、というデザインはフォーマルとビジネスの中間。
どちらでも活躍出来て、少し高級なイメージ。ラグジュアリー感ある。
つま先の形は、ラウンドトゥ。丸くて、柔らかく、かつ少しクラシックなイメージも。
落ち着いた、穏やかな印象を与えます。
そして靴底のフチの部分、額縁の様なコバというパーツがあるんですが
これは靴のフチに対して細く削っています。
フチを残すとイギリス風と言われて、クラシックな、落ち着いた、重厚感、信頼感といったイメージですが
フチを細く削るとイタリア風と言われて、カジュアルでフットワークが軽く、アクティブなイメージです。
伝わりますでしょうか?
そんな印象を人に与えられる靴ということになります。
色やデザインの持つ意味という視点からも靴選びが出来ると、楽しみ方が増えますね!
「こんな印象を持たれたい!」
とか
「将来こんな自分になっていきたい!」
というイメージがありましたら、是非ご相談ください。
理想のイメージを、一緒に作っていきましょう◎
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