「今」と「ここ」と「自分自身」を感じること

こんにちは。立岡靴工房の立岡海人です。

今日のブログは、「表現すること。」について書きます。

 

私たちはオーダーメイドで靴をおつくりして、足に合わせることは勿論ですが

その人が人生で何を大事にしているか何を目指しているか靴で表現したいと思っています。

 

 

」自分は何を思って、どうなりたいのだろうか?

ここ」で自分は何を感じて、どこへ向かおうとしているのか?

自分自身」は、本当に自分自身の人生を生きているのか?

The Aphex Twin の名盤、CLASSICS を聴きながら、ベリーダンサーの妻の踊りを通して考えてみます。

 

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妻と出会ったのは2009年の春くらいだったと思います。

私が岡山に戻ってきて、靴屋を始めたばかりの頃。

「何か綺麗なものを見に行きたいなぁ」と思って、当時のSNSはmixi全盛期でしたから

イベント情報をポチポチみてたところベリーダンスのイベントを見つけまして、一人で行きました。

その中で、一人キラキラ輝いて見えたのが妻Ashraqatでした。

 

(Ashraqat=アシュラカト:アラビア語のダンサーネームで英語で言うところのRISEという意味)

 

それで、自分もLiveパフォーマンスをしていたので、靴屋でイベントをやりませんか?ということで

2009年の8月におもてちょうDANCE MEETING ’09 と題したイベントで共演しました。

(リンク先は当時のmixiでのイベントレポートです。全体公開なのでアカウントある方はどうぞ。)

 

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9年前に共演した時はこんな感じ。二人とも26〜27歳。

靴屋がまだ表町にあった頃、まだオーダーメイドの靴はつくっていなくて後ろにあるのは既製品たち。

お互い楽器やダンスをまだまだ始めたばかりで、今から振り返ると少し恥ずかしいところもありますが

それでも何か面白いことしたい人の心に残るパフォーマンスがしたい。そんな思いでした。

 

当時の「表現」について覚えていることは

表現とはそれ自身が表現するもののために表現される。と考えていました。

誰かのために、何かのために表現するのではなく、

自分自身のために表現する。ということです。

 

 

なので、2009年の段階では

」自分は自分自身のために演奏をしたい。

ここ」で自分は自分の演奏を感じて、自分が気持ちよくなりたい。

自分自身」は、演奏をすることで、自分自身になれるような気がする。

 

という感じでした。

これは2012年の年末につくったフリーペーパーの原稿なんですが、まだそんな感じです。

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で、この後2013年〜14年くらい(オーダー靴を始めるまで)は

」自分は何のために靴屋やイベントや表現活動をしているのかよくわからない。

ここ」に自分は存在しているけど、フワフワして自分の足で立っていないような感じがする。

自分自身」は色々なものに流されてしまって、誰かの人生を生きているようになってしまった。

という感じで、とても行き詰まった閉塞感。でも活動量は多くてすごい消耗する感じ。

 

今から思えば、自分自身のためだけにやってる分にはよかったんですが

変に力が入ってしまって、「靴屋のために!」とか「地域のために!」となってた気もします。

 

そんな時でも、良い音楽のLiveダンスのイベントなどを観に行くと、

」自分はこの舞台をみて、目の前のものに集中することができている。と感じたし

ここ」で過ごす時間や、一緒にいる人たちと一体感を感じてワクワク活き活きしたし、

自分自身」の魂がどこかに出かけて行っていたのが、身体に戻ってくる感じ。がしました。

 

例えば音楽に合わせて身体を動かすこと。

単に反応して動いているだけだけど、それって純粋な自己表現で、自己肯定なんじゃないかと思ったり

舞台で踊る姿を見て、自分も踊っているような、浮遊感と多幸感に包まれる感じ。

芸術の持つ美しさと、多様性を感じることで、

「こうしないといけない!」

とか

「こうであらねばならない!」

という頭の中身がキツイ感じが融解したり、緩んでいくんですね。

 

そんな中でオーダーメイドの靴づくりをスタートすることになるわけですが

 

「今」オーダー靴をつくっているけど、一体何のためなんだろう?仕事だから?生活のため?

ここ」はそもそもどこなのか。先代のお店だから、自分のお店でもないしよくわからない

自分自身」はとにかく借金の返済が大変で、それどころじゃない

 

というごちゃごちゃした頭を抱えていたら、2015年の夏に靴屋が火事でなくなりました。

 

この時、ものすごい救われたのがピアニスト妹尾美穂さん率いる岡山ドラムサークルFantaRhythmでの体験で

楽器を演奏する中に加わっていたら、なんだかすごい泣けてきて

 

「今」ドラムサークルがつくる生演奏のリズムの中にいて、何からも否定されていない

ここ」には音楽があって、リズムがあって、自由に表現できる場所。ということに気づいて

自分自身」は自分自身であっても良いし、他の誰かになってはいけない。と思いました。

そして、火事やいろんな事件が重なって、自分自身がものすごい傷ついて、疲れていたことにも気づきました。

 

うまく言えないんですが、人間が生きていくのにとても大事なものに気付かされたような気がしました。

 

 

それから、またオーダー靴づくりをするんですが、お店がなくなったので収入が減ってしまって

友達の仕事をアルバイトで手伝ったりしながら靴を染める仕事に力が入るようになってきて

「これは自分にとってとても良い仕事かもしれない!」と思い始めた頃に

 

妻Ashraqatがものすごい良い舞台をつくったんです。

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4 SEASONSという四季をテーマに、4つのダンスグループがそれぞれの季節を表現するっていうイベントがありまして

その舞台を見た時に妻Ashraqatに伝えたことってこんな感じ。

 

「わかりやすく目に見える華やかさもあるけれど

 目には見えないけど、感じられる人に向かって 

 言葉にならない美しさを伝えていく。という

 人間にとって大切な仕事をしているように感じます。

 目には見えなくて、言葉にならないから少し理解されにくいかもしれない。

 それでも踊っている姿を見ることで、見た人が自分の周りの人たちや世界を幸せにしたり

 困っている状況を前に進められる力になるのではないかと思いました。

 例えば深く傷ついている人がいて、流行りのポップスでは癒されなくても

 あなたの踊りに触れることで、自分が深く傷ついていることに気づく何かになるかもしれない。

 それはとても根源的なもので、何のために踊っているのかはわからなくてもよくて

 その踊りそのものを大切にして欲しいです。」

 

 

ちょうどドラムサークルに参加して、自分が深く傷ついていることに気づいた時と同じように

踊りで表現されるものにも、人間が生きていくのにとても大事なものがある。と、妻の舞台を観て気づきました。

人がつくる美しいもの、いや人だけじゃないな。

自然がつくるものにもあるけど、今日は人がつくる美しいものについて。

単に観て面白いなー、参加できてよかったなーを深掘りしていくと

 

「今」は過去でもなく、未来でもなく、目の前の現在。今に集中していること

ここ」以外のどこでもなくて、同時にどこにでも行ける自由な想像力がある場所

自分自身」は揺るぎなく自分自身であり、またその自分自身に気づくこと。

 

うまく言えないんですが、とても大事なものが表現されたと思いました。

 

で、何のために表現するのか。

最初は趣味や遊びの延長で、自分自身のために楽しむことから始まるんだけど

そのうちに自分の中にある、「とても大事な何か」を捕まえて、掴まえて、ああでもないこうでもない。と試行錯誤して

自分が良いと思う方法で第三者が五感で感じられるものに変換する。と何が起こるかというと

 

それに触れた人が、その人の「」と「ここ」と「自分自身」を感じて

人生で何を大事にしているか何を目指しているか

明確にわかってくるんじゃないかと思います。

 

 

今、立岡靴工房では靴を通して自分自身が表現できるような、靴づくりを目指していて

妻Ashraqatは自身のホームページでこう書いています。

 

「ベリーダンスを主軸とし

 音楽からくるインスピレーションを大切に

 自由な発想で踊る。

 ただ、踊るだけではなく

 空気、光、大地を感じ、繋がり、媒体となって

 踊ることを目指す。

 柔らかく、美しく、しなやかに。」

 

 

 

何か大事なものを表現するもの同士、お互いに刺激を受けながら仕事をしています。

そして、妻の舞台裏には必ず裏方で参加していて、舞台監督のようなことを一緒にやっています

 

 

そういうことで、今度また大きな舞台がありますので、6月2日(土)は靴屋はお休みします。

勝手を言いますが、ご了承よろしくお願いします。

 

私たち2人が今つくれる最高の舞台です。どうぞ感じてみてください。

画像クリックでベリーダンスアトリエ麻ノ葉ホームページにリンクします。

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いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます!

 

 

 

 

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オーダーシューズ&パンプス製作 立岡靴工房

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