全体的に足が細い女性の仮合わせの2回目です。
前回は左右ともに23.0cmのワイズB(ー00)
カカトのフィッティングが全体的に浅めだったので、サンプルのスクエアトゥ23.0のワイズC(ー00)を試してもらったところ
「こっちの方がゆったりしてるけどカカトが脱げない!」とのことでした。
足の細さの数字だけでみるとワイズBでも十分きつすぎることはないんですが、カカトのホールド感はワイズCの方が良さそうです。
(画像クリックで拡大します)
そういう仮説のもと、今回は左右ともに23.0cmのワイズCで仮合わせに臨みました。
最初は少し足囲に余裕があり、前滑りしそうだったので足囲部分に2ミリのインソールを追加しました。
インソールを追加したことにより、足が上に押し上げられた分カカトのフィッティングもよくなりました。
サイドラインも靴のカカトから足首にかけて自然なカーブになっています。
23.0cmのワイズBでは足よりも靴のカカトの方が細く、キツめの印象でしたので、カカトのサイズは30Cで良さそうです。
同じ厚みの2ミリのインソールを入れたところ、右は程よいんですが左足の前半分がきつく感じるとのこと。
採寸結果の数字からも、左足の方が3ミリほど足囲が大きかったので、左足のインソールを2ミリ→1ミリに変更しました。
理屈では足囲が2ミリほど変わるので、左右の足囲のバランスは同じくらいになりました。
インソールを入れない状態では、足囲部分に余裕があったため足が前滑りしていましたが、1ミリのインソールを入れることでカカトのフィッティングもよくなりました。
前回の仮合わせ画像はコチラ
↓
ちょっとピッタリすぎてキツそうじゃないですか?
足の細さとしては悪くないフィッティングなんですが、全体的に少し靴が細すぎたようです。
この方は足が細くて、かつ指が長いため、どんな靴を履いても足の幅が合わずにいました。
足の幅が合わないので、靴の中で足が前に滑ってしまい、もともと指が長いので指が詰まってしまいます。
その結果、人差し指の第二関節がくの字型に変形してしまい、歩くときに靴のアッパー部分に当たるんです。
ちょうど指を指している上の位置に、ポコっと凸が出来ています。(白なのでわかりにくいですが)
靴の形の元になる、木型を修正する位置を決めるのに、「凸はここです!」という記録です。
30Bという木型から30Cにサイズアップして、大きくなりすぎた分をインソールで調整して
ハンマートゥの凸部分を修正したらちょうど良い靴が出来そうです。
と思っていたんですが、試しに靴屋の外を歩いてみてもらっていたら気になる点が出てきまして
「親指側に体重がかかりすぎている気がする」とのこと。
確かに歩き方には少し特徴があって、かなり内側に体重がかかっている様子。
「歩くときに、かなり内股気味になっていますね」と話を聞いてみると
「生まれつき骨格的に内股になっていて、整形外科には一生治らないと言われた」んですって。
靴屋として出来ることを考えてみると、内側に倒れやすい足を支えるには靴の内側を高くすることがあります。
これは意見が分かれることもありますが、土踏まずを高い位置でサポートするためのクッションを追加してみました。
もともと縦のアーチを支えるクッションで中型サイズのC48−2という品番のものを入れているんですが
あまりサポート感を感じていない様子だったのでC48−2→C48−3とワンサイズ大きくしてみたところ
「親指に体重がかかりすぎていたのが少し楽になった気がする」ということでした。
いろんな方法を試した結果、この組み合わせが一番良さそうだ。と本人が体感していただいたので採用しました。
立岡靴工房では今回このような判断をしましたが、もっと詳しい方がいたら教えてください。
より良い靴をつくれるアイデアが繋がっていけば、世界は自由になり、夢が叶う社会が実現すると信じています。
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